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Author:【アリス】と【ドードーとら】
 
【アリス】 アリス
自閉症の世界の探検家。
2人の自閉症児・者の母。

【ドードーとら】 ドードーとら
自閉症の世界の案内役。
アスペルガー症候群の当事者。

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(2007年07月06日〜現在)

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【おことわり】
このブログは2人の公開メール交換・公開交換日記ですので、
一般的なブログとは少し違った感じになっています。
コメント欄は2人の著者専用。
このように、明らかに違うこともあります。
ご覧いただく上で必要そうなことを トップページ に書いておきました。
人物一覧や、引用・リンクなどについても、そこにまとめてあります。

category-6:チャットログ 3月28日のチャット その2

【前口上】

 まずはBUNTENさん、晒し者になっていただくことについて、先に謝罪しておきます。すんませんm(_ _)m
 地雷と勘づきつつ踏み込んで、題材を提供してくださったことに対し、感謝と尊敬の念が絶えません(涙)。
 また、この記事に書いた以上の考えがBUNTENさんにおありだった場合は、是非ともそのようにおっしゃっていただきたいと思っています。

 読者の方には、もし今回の記事を読んで何か得るものがあった場合、半分以上はBUNTENさんのおかげとお考えくださるよう願います。
 定型発達者の方は、客観的に読もうとするのではなくむしろ思い切ってBUNTENさんに感情移入し、一緒に体験をしているような感覚で、読んでください。そうでなければ、気づきのチャンスも訪れないでしょう。それでは、せっかくBUNTENさんが今回(定型発達者の代表のような形で)踏み込んでくださったことが、無駄になってしまいます。
 よろしくお願いしますね。

 それからもう一つ。
 2人で話し合った結果、BUNTENさんのブログ・ブクマへのリンクを、左のカラムのリンクコーナーに設置することにしました(BUNTENさん、もしご迷惑だったならばコメントをお送りください。また、もしよろしければ相互リンクなどしていただけますと、もっとうれしいです)。

 では、本編をどうぞ。

   ★

【題材】

 トラバいただいてたBUNTENさんのブログ
 http://d.hatena.ne.jp/BUNTEN/20080322

   ★

ドードーとら 先に話題を振りますね。
アリス はい、おねがいします。
ドードーとら BUNTENさんの記事について、アリスさんが批判じゃなくて説教とおっしゃったのがね、ウケましたw
アリス そうでしたね。ウケましたか?
ドードーとら うん。鋭いなと思って。
アリス なんか、くすぐったいですね。
ドードーとら あはは^^

   ★

ドードーとら BUNTENさんの記事を読んだときね、最初は何だか意味がわからなくて、理解するのに時間がかかっちゃったんですよ。
アリス そうなんだ。
ドードーとら で、やっと理解した後に、どうして思考がもう一歩先に進んでいかないんだろうなって。そう思いました。

アリス もう一歩とは?
ドードーとら BUNTENさんがおっしゃるとおり、「世に広く正しく知ってもらえれば助かるんだけどなぁ」というような思いを俺が持ってないと言えば、嘘になります。
アリス そうですね。
ドードーとら だけどそれは難しい。これもBUNTENさんがおっしゃる通りね。というか、たぶんBUNTENさんが思ってらっしゃる以上に、それは難しいだろうと俺は思っていて…。
アリス 体験者ですからね。
ドードーとら ええ。だからこそ、「世に広く正しく知ってもらえれば助かるんだけどなぁ」と思いつつも、「世に広く正しく知ってもらえることなんてありえない」という前提で、むしろ「ある特定の人たち」に向けて、書いてるわけですよね。
アリス 特定の? 話の通じる人?
ドードーとら 先日のチャットで言うと、エンカレッジされることを必要としている人たちですね。
アリス あ、そうですね。 ヤケクソ的にね。
ドードーとら あはw そうそう。それからついでに、わかる人だけわかっといてね、くらい。ここまでですね。俺が想定している読者は。
 そうでない人については、どっちらけようが何しようがどうでもいいというか、どうにもならないだろうしどうなったって同じなんでね。最初から気にしてないんですよ。

ドードーとら それでね、ああ、このことをわからなかったから、ああいうことをおっしゃったのかなって思ったんです。
 BUNTENさんには継続的に読んでもらってコメントもいただいてました。で、俺は彼のコメントを見て、これくらいのことはわかってそうだと予想してましたから。辻褄合わないなぁ…っつってね。なかなか理解できなくて、時間かかっちゃいましたね。
アリス そうですか…。

   ★

ドードーとら 俺からすると、ものすごく不思議なことなんです。「これはかなり難しいことだろうと思います」までわかっていながら、「あ、だからこういう書き方を選んでるのかも」というふうに思考がもう一伸びしていかないのが、不思議でならない。
アリス 不思議ですか…。私は、そこまでだったかって感じですけど。
ドードーとら うん。それはそうなんですけど。そこまでだったとしても、どうしてそんな中途半端なところで止まるの? …という。
アリス かしこそうな方だし、上山さんの記事を読まれてたら、進めていたような気がしなくもないのですが…。
ドードーとら そうそう。知的能力は申し分ない。
アリス 観察力もおありだしね。
ドードーとら うん。そうなると結局は、BUNTENさんの言葉で言うところの「前頭葉謹製の自動意図読み機構」が働いて、思考の伸びを妨げてるんじゃないかなって。きっとそういうことになるんでしょうけど、それについてもあれだけ分析されていて。
 いい分析だと思いますよ。でも我が事となると違っちゃう。我が事となると違っちゃうのが「前頭葉謹製の自動意図読み機構」の特徴なんだけど、その分析はちゃんとやってるし、ご自身の中でもその機構が働いていると自覚されている。でもやっぱり、頭でわかってても実際問題となると話が違っちゃう。
 ループにはまってますよね。そのループから抜け出すための分析であり自覚だと思うんです。もう、何のために何をやってるやら、俺から見れば随分とんちんかんな感じがして、隣からぼーっと眺めてしまいます。

アリス これはね、定型人のサガだと思いますよ。
ドードーとら そうなんでしょうね…。上山さんの言葉がよく当てはまるんですよね。

------------------------------
「語られる側」をオブジェクト・レベルに監禁し、「語る側」は自分のオブジェクト・レベルを問題にしない。
http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20080217

説教をしている本人が自分を維持するためのロジックと、支援対象に要求しているロジックが違う。 最初から差別している――というより、論者が自分だけ特異点化している。
http://d.hatena.ne.jp/ueyamakzk/20080310
------------------------------

アリス これは、自覚して謙虚になるか、自覚して見せないか、自覚したくなくて切れるか…。まだあったかな…。
ドードーとら はて…ねぇ?
 何にせよともかく、それを開き直りに使うんだったら、ある種の人のところにそのしわ寄せが一気に来てしまうんで。そりゃまずいでしょうというのと、それならこっちだって考えがあるぞコノヤローというのと。

   ★

ドードーとら もし、仮にBUNTENさんが俺をちゃんと批判したいと思ったら、こう言わなきゃいけないんです。
1.「世に広く正しく知ってもらえることなんてありえない」という前提が間違ってる。
2.特定の人に向けて伝えるという目標に対して今のやり方は合目的的でない。
 どちらかか、両方。根拠も示しつつね。
アリス そうですね。でも、それは難しい…。
ドードーとら うん。しかしそうでないと、何かを言ってることにならないんですよ。俺がとうの昔からわかってることを今さらなぞっただけなんで。
アリス ですね。
ドードーとら そうそう。何も言ってることになってないことを上から目線で言うのを、日本語では説教と言うんでした。…ということで、アリスさんは鋭いな、と。
アリス 私たち定型人は、経験から、「世の中はこんなものだ。」ってあきらめちゃって、それを説教するのが好きですからね。
ドードーとら 後半の「越せない川?」では、まずまずいい分析をされているのにね。
アリス そう、なんか南の島の先生みたい…。
ドードーとら あ、そうかも^^;
 南の島の先生も、全部が全部悪いってんじゃありませんからね。彼の分析にはうなずけるところがたくさんあります。それは事実。ただ、玉石混淆だからこそ余計に悪質w
アリス BUNTENさんの場合は、中立的だし、アウトロー的な感じがありますよね。
ドードーとら うん。雰囲気でぼかしてる。でも俺みたいな人にはバレちゃうんでごめんなさい、なんですけど。

   ★

■ドードーとら注■

 ここらで一度まとめておこう。

 アリスさんが言う、私たち定型人は説教するのが好き、とは、つまりこういうことだ。

⇒ すべての定型発達者は、意識の上または口で言う主義主張とは関係なく本質的に、「おりこうさん競争」をやりたいやらせたい「順応主義者」だという一面を持っている。

 実はこれこそが、上山さんと俺との、おそらくは普通のひきこもりと自閉症でひきこもりっぽい人との、決定的な違いなのだろうと思われる。

 上山さん(や他のひきこもり研究者)の言うひきこもりの人一般の状態像を一言にまとめると「順応できてない順応主義者」となる。
 一方で自閉症者は、社会適応できているかいないか、自活できるだけの収入を得ているか得ていないかといったことに関わらず、順応主義者にはなりきれない性質を持っている。

 かつて上山さんは、順応できてないことに悩んでおられた。今の上山さんは、順応主義(者)を批判する一方で、自らもまた順応主義から逃れられないことをも自覚しつつ、思考を進めておられる。
 俺はというと、順応主義にもとうとう馴染めなかったし、順応主義者にもとうとうなれなかった。そういう経験を持ち、また今後もなれないだろうと自覚する者の立場から、書いている。

 文面上、両者とも「自覚のない順応主義(者)」を批判しているし、その点では読者にとっても互いにいい補助線になるだろう。
 けれども、両者の根本には決定的な違いがある。言ってることは似ているが、中身は全然違うどころかまるで正反対なのだ。

 数年前に別なブログを書いていた頃、上山さんとはよく話をさせてもらった。自分と似たタイプの人かな、と思って対話を始めたら、どうにもこうにも話がすれ違ってしまう。どうしてすれ違うのかもよくわからない。そんな感じだった。
 俺視点で言うと、「君らは順応主義にやっつけられてるのに、そして君らはそのことを自覚もしているのに、どうして君らは順応主義者なんだYO!」ということになる。相手視点で言うと、「そう言われたって、どうしても逃れられないんだYO!」ということになる。話し合いはもうめっちゃくちゃ。

 この種の「どういうわけか、ひきこもりの人たちからも浮いちゃう」みたいな経験がいくつかあったからこそ、俺は自分の発達障害を疑ったわけ。
 で、どうして浮いちゃったのかは、つい最近振り返ってみて、なるほどこういうことだったのか、と。そういう話であります。

   ★

ドードーとら BUNTENさんの後半の分析、いいんですけど、補足したいことがあります。
アリス 何でしょう?
ドードーとら 1対1の関係では語り切れないってことです。
 普通一般の定型発達者は、そのアスペルガーの人と関わるのがコスト高いと思ったら、縁切ろうと思ったら切っても大丈夫でしょ? どうせ知り合い100人中1人もいないんですから。どれだけ多く見積もってもね。
 でもこっちは、誰と付き合ってもコスト高いんで。
アリス そうですよね。親はそのコストが苦ではないけど、他人は???です。
ドードーとら いや、すべての親が苦にしないってんじゃないでしょ?
アリス たしかに。同じようにすべての他人が…でもないですけどね。
ドードーとら うん。でもやっぱ、実際に長年付き合ってみないことには、付き合い方がわかってきませんよね。
アリス そうですね。
ドードーとら 俺が「世に広く正しく知ってもらえることなんてありえない」と言うのには、それもあるんですよ。本や調査報告を読んで「アスペルガーってこういう人」と頭でわかっているのは、読んだのがどんなに正確に書いてあるものだったとしても、付き合い方までわかっていることにはならないから。

ドードーとら 例えば、“自分の言いたいことを最も素直に受け取ってもらうには、自分の感情とか意見を書くのではなく、客観的状況を並べていって読者に考えさせるべきである”なんてことを、俺が今までどれだけ言われてきてどれだけうんざりしまくっちゃっているか。これ、当事者の身近な人以外だと、わかるチャンスすらなかなかないでしょうね。
アリス そっか…。
 それに、この客観的が、ものすごい主観的だったりもしますからね。
ドードーとら うん。それもありますけどその前にね。
 この考え方は、ある特定の条件下では正しいんですよ。簡単に言うと、相手の現時点での「ものの体験のしかた」や「思考の枠組み」に沿って理解されるべき話をする場合には、これが一番です。でも俺の場合は、「ものの体験のしかた」や「思考の枠組み」に揺さぶりを与えるように書きたいので、それではダメなんです。
アリス 定型人同士でさえ、難しいのにね。客観的状況を並べて相手に考えさせるって言っても…。
ドードーとら そうですよね。そのやり方だけで生きてくのに必要なコミュニケーションが全部まかなえる人がいるとしたら、是非見てみたいw
アリス 世の中には、こういう根拠のない「こうあるべき」が沢山あって、根深いですからね。
ドードーとら ですね。

   ★

ドードーとら でもまあ、今回話してきたように、反論するのは簡単です。BUNTENさんもこれ読んだらそれなりに納得してくれるんじゃないかと思うんですね。賢い方だとお見受けしますんで。
アリス それこそ、客観的に読めたら…という高いハードルがありますけどね。
ドードーとら はは…^^;
アリス 「で、一端感情がそっちにロックオンしちゃうと、たぶんプロでも解除はなかなか難しかったりするとゆー。orz」ですね。
ドードーとら そっか…。じゃあ、それなりに納得してもらえる場合もあるとして、かな。
 それにしても、会う人会う人から同じことを言われるってのは大変なんですよ。気が狂いそうになります。
アリス “自分の言いたいことを最も素直に受け取ってもらうには、自分の感情とか意見を書くのではなく、客観的状況を並べていって読者に考えさせるべきである”を?
ドードーとら そのような種類の事柄ですね。根拠のない「こうあるべき」たち。
 反論するのは簡単で、すれば納得してもらえる場合も少なくない。けど付き合わなきゃならない相手(例えば仕事なら直接の上司とか)全員とやってくのは、俺も相手も大変です。かと言って、やらないで押し付けられるままになってると、身体からきつくなっちゃう。
 どっかで相手に納得してもらえなかったり、あるいは俺を十分に納得させてもらえなかったり、相手が疲れちゃったり俺が疲れちゃったりすると、もう続かないんですよ。互いの努力云々ではなく、異質さに耐えられないという状態なんで。
 そうなるとまた、付き合ってくれる相手探しから全部やり直し。何をいくら努力しても、何も前に進まないんですよね。
アリス そっか…。

アリス 私はね、コストが安くなる瞬間があるのを知っているし、ドードーとらさんが言うなといわれているような事柄が、すごく参考になりますし、そのような定型人は少数かもしれないけどいると思いますよ。
ドードーとら そうであればうれしいです。

   ★

ドードーとら 「一般に『こうあるべき』と言われているけど、違うやり方してるのには理由があるの?」と聞かれるんだったら、俺も楽なんですよね。こういう判断でやってますと答えればいいんで。その上で、もっと別の根拠を提示されたり、別の判断のしかたを提示されたりして、そっちのほうがよりよいと思えば、俺も判断を変え、やり方を変えます。こういう生産的なやり取りは大好きです。
 説教型の言い方は、それが「(括弧つき)善意」に基づいているので、始末が悪い。
アリス そうなんですよね。このような形だと、コストがどんどん高くなります。
ドードーとら そうそう。
 で、こういうときに単に質問するタイプの言い方ができる人が世の大半ならば、俺の「世に広く正しく知ってもらえることなんてありえない」という前提も崩れていきますよ。おっ、案外話通じるのね〜と。
 反対に、説教型の言い方をされるとそのたびに、 「世に広く正しく知ってもらえることなんてありえない」という(あくまでも仮定でしかない)前提は、思ってた以上に正しいのかもしれないな、と後押しされちゃいます。
アリス 洗脳ね。
ドードーとら 単なる経験の蓄積です。
アリス 呪い?
ドードーとら うーん…^^;
アリス 言いすぎか…。あきらめちゃうってこと?
ドードーとら あきらめるんじゃなくて、ますます先鋭的にならざるを得ないって感じですかね。
 俺のような人が先鋭的になるか、もっと穏やかになるかは、あくまでもリアクションなんでね。これ、自閉症周辺の方々には是非覚えといてもらいたいです。

   ★

ドードーとら こんなところでしょうか。
アリス そうですね。
ドードーとら じゃあNHK教育「ハートをつなごう」の話もしておきます?
アリス 見られました?
ドードーとら はい。
アリス では…。

(続く)


タグ : 発達障害 アスペルガー症候群 自閉症 アスペルガー 自閉 高機能自閉症

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